連日北朝鮮のミサイルに関するニュースが報道されていますが、なぜ日本海に向かってミサイルが発射されるのか、その理由をまとめています。
一般的には米韓軍事演習や日米韓首脳会談に対する非難/抗議といった理由の他にも、北朝鮮が目論む本当の理由があることも指摘されているのです…!
詳細はこの後にまとめていますので、ぜひご覧ください。
北朝鮮はミサイルをなぜ日本に向かって打つのか
北朝鮮がミサイルをなぜ日本海に向かって打つのか、その理由は米韓の軍事演習に対する非難のメッセージであることや、日米韓首脳会談に対する抗議であるといった理由がよく挙げられます。
実際、北朝鮮から2022年11月13日に行われた日米韓首脳会談について、次のように声明があったと報じられています。
北朝鮮の崔善姫外相は談話を発表し、13日の日米韓首脳会談を非難し、米国が日韓との安全保障協力を強化すれば北朝鮮の軍事的対応は「一層激しくなる」と表明
確かに米韓の軍事演習や日米韓首脳会談が理由の1つであることは間違いないと考えられますが、実はそれは表向きの理由であり、実は次のような別の理由が北朝鮮にはあると指摘する専門家もいます。
ミサイルの性能検証と、関連部隊の練度や即時発射能力などを確認、そして向上させている
つまり、北朝鮮は大手を振ってミサイルの性能実験ができるように、米韓の軍事演習や日米韓首脳会談を”隠れ蓑”にしていることが指摘されているのです。
北朝鮮は中距離弾道ミサイルである「火星12型」を量産しているという報道もあり、2022年に入り50発ものミサイルが日本に向かって発射されている背景には、ミサイルの性能実験が主たる目的にあるとも言われています。
極超音速滑空体というのを持っているのは、アメリカ・ロシア・中国の3カ国だけ。北朝鮮が完成させると(世界で)4番目になる
上記の発言にもあるように、今北朝鮮は世界でもミサイル技術においてトップクラスの技術力を手にしようとしています。
そして、そのミサイル技術の高さが、北朝鮮が日本に向かって発射する理由になるとも考えられます。
というのも、北朝鮮は高度4500kmにもなるミサイルの発射実験も行っており、日本海以外に北朝鮮のミサイル性能実験を行える海は存在しないのです。
実際、浜田靖一防衛相は2022年11月18日に、北朝鮮のミサイルの性能について次のようにコメントしています。
米国全土が射程に含まれることになる
北朝鮮の東側には黄海が広がっておりますが、下の画像のように懇意にする中国の排他的経済水域もあります▼
北朝鮮としては中国との関係をぶち壊しにするリスクを冒してまで、黄海に性能実験を目的としたミサイル発射をする理由は見当たらないのです。
日本が北朝鮮のミサイルをなぜ迎撃しないのか、という声も見られます。
しかし、ミサイルを迎撃することは費用面の問題と多くのリスクがあり、非常にデリケートな問題なのです。
詳細は下記記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。
北朝鮮のミサイルは日本海以外にも落ちている
とはいえ、北朝鮮は中国の排他的経済水域が広がる黄海にミサイルを発射することもあります。
例えば直近では2022年11月5日に、北朝鮮は黄海に向けてミサイルを4発発射しているのですが、こちらは性能実験ではなく、本当に威嚇のために使用されたミサイルだと考えられるのです。
というのも、北朝鮮が2022年11月5日にミサイルを発射した背景には、米韓の軍事演習「ビジラントエース」があります。
「ビジラントエース」では最新戦闘機である垂直に離着陸できるF-35Bがお目見えになったということで、北朝鮮にとっては脅威に感じるところがあった可能性があったのではないでしょうか。
なお、北朝鮮がそのときに使用したミサイルは短距離ミサイルですので、中国の領海には着弾しない確信がありミサイル発射が実行されたと考えられます。
高度約20キロメートルを約130キロ飛行
したがって、今後北朝鮮がミサイルを日本に向けて発射した場合は、性能実験を兼ねていることが考えられ、報道されるたびに北朝鮮の脅威が増していると考えるべきです。
北朝鮮はミサイルをなぜ日本向かって打つのか【非難や抗議以外の本当の理由】
今回は、北朝鮮がミサイルをなぜ日本に向かって打つのか、その理由をまとめました。
表向きには米韓の軍事演習に対する非難のメッセージであることや、日米韓首脳会談に対する抗議といった理由が挙げられますが、実はそれらは”隠れ蓑”の理由で、ミサイルの性能実験を大手を振って行っている、という説が専門家の間で指摘されているのです。
北朝鮮はミサイル技術においては世界のトップクラスとも言われています。
したがって、日本付近に着弾するミサイルの報道があるたびに北朝鮮の脅威が増していると考えるべきなのです。